1950年~1959年にかけては、涙が出る名曲がたくさん存在しました。
その中でも珠玉の一曲と言えるのが、フランク永井が歌った夜霧に消えたチャコという歌です。
宮川哲夫氏が作詞を、渡久地政信が作曲を手がけたこの歌は、酒場で出会った女性のことをテーマにしています。可憐な女性だったチャコは、何回か会話を交わす中で自分の寂しさを語りました。夢がないことを嘆き、悲しい眼差しをしていたそうです。そんなチャコが印象に残っていたものの、ある日突然消えてしまいました。ネオンライトにきらめく街を目にするたび、あのときの女性を思い出して切なくなるという歌詞になっています。
当時はこうした飲み屋や酒場で出会った女性を曲の主題に据えたものが多く、聴く者にしんみりとした感傷を与えていたようです。