1956年は日本が米軍による占領から解放され、4年経ったタイミングです。
忌まわしい戦争の思い出も徐々に薄れてきて、独立国として国際社会に打って出ようとする意欲が社会全体にみなぎっていた時代でした。
そういった背景が流行歌にも反映され、鬱屈した気持ちよりも未来へ向けての明るい希望を歌い上げる曲が好まれるようになったのです。そんな1956年の大ヒットソングといえば、大津美子さんの『ここに幸あり』を忘れることはできません。自分の足元をしっかりと見つめることであらためて幸福感を満喫できるのは、当時の日本人の心意気が見事なまでに表現されていると言えましょう。
昭和の名曲の一つに数えられるのも当然の流れかもしれません。