1950年~1959年でテンポが速い曲と言えば、やはり「買物ブギ」(笠置シズ子)が有名です。
ブギウギの軽快なリズムに乗せて大阪弁でまくしたてる歌い方がとても斬新でした。
「ミネソタの卵売り」(暁テル子)もジャズ風のポップなリズムを使った曲で、「ジャズ歌謡」などと呼ばれていました。鶏の鳴き声で始まる歌詞が愉快で、一度聴いたら忘れられないインパクトを持っています。「監獄ロック」(小坂一也)も忘れてはいけないでしょう。エルヴィス・プレスリーの名曲をカバーしたものですが、まだロックが一般的ではなかった日本に新鮮な空気を吹き込みました。
いずれも現代のレベルからすればけして速くはないでしょうが、新しい時代を感じさせる心地よいアップテンポさが、当時の日本人の心に響いたのです。