1969年は少女たちを熱狂させたグループサウンズが下火になり、若者向けのフォークソングや大人のムード歌謡の大ヒットソングが生まれました。

フォークソングでは「風」「時には母のない子のように」、フォークと歌謡曲の中間で「或る日突然」「禁じられた恋」が大ヒットしました。

ムード歌謡は「港町ブルース」「ブルー・ライト・ヨコハマ」「池袋の夜」「長崎は今日も雨だった」、そして近年アメリカで話題になった「夜明けのスキャット」もこの年の代表作です。年の瀬には、子供が歌った童謡と歌謡曲の中間で「黒ネコのタンゴ」が老若男女問わず大ヒットしました。

日本レコード大賞は、1970年代への変化の前の静けさを象徴するような翳りのある歌「いいじゃないの幸せならば」でした。